裏切り者は、カルト親
『みんなの宗教2世問題』1章「当事者たちのさまざまな声」より。正当派プロテスタント2世の体験談。昨日の記事で、カルト化した正統派プロテスタントの家庭とエホバの証人との間の類似点を挙げた。
『正統派』と呼ばれるところでも、場所とか親によってはカルト化することは普通にある
カルト化した家庭や場所で起きたことが、組織的に起きている宗教がカルト宗教。エホバの証人こそカルトど真ん中。昨日に続いて、正統派プロテスタントカルト家庭とエホバの証人の類似点を挙げる。
この人は、正統派プロテスタントに関わるのをやめて、
やっと自分の自由な人生が手に入ったって思うと同時に、自分はすごく罪深い人間だとか、ほんとうに両親とかいままでよくしてくれた教会の人たちとかを裏切っているんじゃないかという気持ちもあって
実生活に害がでた。
私もエホバの証人をやめるときには、両親を裏切るという思いが強かった。エホバの証人とカルト化した正統派宗教の類似点、人情や親子の情が脱会を阻ませるところ。
私は、この点をハッキリ割り切っていた。自由な人生を手に入れるためなら、それを妨害する者と敵対するのは仕方がないと考えていた。たとえそれが親であっても。
なので、親を裏切ることに強い罪悪感はあったが、それで実生活に害が出ることは無かった。
この場合、裏切っているのは、宗教を押し付けてくる親なのか、それを拒否して自由を得ようとする子なのか。
子どもは、親の保護下にあっても、言いなりになる必要はない。それを宗教なんてどうでも良いモノ、カルト化しているならば害でしかないモノを押し付けてくる。この状態、実は裏切りに相当するのは、カルト親の方。
カルト親のやっていることは、人間の尊厳に対する裏切り。
ハルマゲドンで人生迷子
両親は、聖書に書いてあることはすべて正しいっていう考え方
これもエホバの証人と酷似。何かをすべて正しいとした時点で、人生迷子が確定する。疑問に思ったり、考えたりすることがなくなるから。その時点で、思考をコントロールされている。カルトの思うがままになる。そして、行動も制御され、家族や人生を失う。
脱会後にも
「地獄」っていう言葉が頭から離れなくなって、頭のなかにこの言葉が何回も湧いてきて、そのときにはすごい恐怖心が襲ってくる
「地獄」を「ハルマゲドン」に読み替えれば、エホバの証人も同じ。従わない者はハルマゲドンで滅ぼすとか地獄に落とすとか、とても現代文明社会人としては容認できない。容認できないというか、ハルマゲドンだとか地獄だとか、実現するはずがないのだから、相手にする必要ない。
とはいえ、子どものうちから、こういったハルマゲドンとか地獄という非正義な思想で締め付けられると、それが恐怖となって心に残る。三つ子の魂百まで。大人になってからも、ハルマゲドンや地獄という暴力的で破滅的な正しくない思想から逃れられない。それが、児童虐待。
カルトのやめ方、やめた後
カルト性に類似点があるのなら、やめ方、自由になる方法も類推できるのではないだろうか。カルトからのサバイバル方法。
親はキリスト教原理主義者っていうものなんだっていうことがはっきりわかったんです。それを頭で理解して、だんだんわかってきて、洗脳はそこではっきり解けた
親が異常というか、決して自分とは相容れない。血はつながっているが、嘆かわしいほどに愚かな親だと認識できたとき、洗脳が解ける。悲しいことだけど、自由な人生を手に入れるきっかけになる。
カルトから正当派に移行する、そういう人もいることは知っていますが、それが一部の人にとってはいいと思うんですけど、その救済方法だけでは不充分
カルトをやめてまでも宗教にすがる。また同じ間違いを犯しそうで危なっかしい。カルトをやめて、正当派に移籍、その正統派を自らの周囲においてカルト化しかねない危うさ。
そもそもカルトから正当派への移行なんて狭い。世界は広いんだから、キリストとか聖書とかの世界にいつまでも囚われていなければいいのに。私なんかはそう思う。宗教も同じ。宗教なんかなくても人は楽しく、立派に生きていける。