ものみの塔裁判:最高裁が拾わなかった“制度的爆心”

ものみの塔裁判の核心

ものみの塔と裁判をしていた件。私の上告が受理されず、最高裁に蹴られたので、上告受理申立理由書を公開供養中。本件核心を述べた第4章。

東京高裁判決によると、一般のエホバの証人こそが誤認の典型例となる。つまり、寄附金の返還を求め得る者が全国的に多数に及ぶ制度的帰結を、この国の司法は放置したことになる。

なので、今後は声を大にして

「エホバの証人は寄附金を不当にだまし取られている。返還請求すれば取り返せる可能性がある。その可能性を知りつつ信者を続ける者は、児童性虐待訴訟における加害者側の資金源となっており、裁きを免れない」

と言っていく。以下、上告受理申立理由書の第4章。

第4 本件が最高裁での統一判断を要する理由

4-1 制度的帰結の重大性

原判決は、上告人の疑念が合理的疑念であると認定している。この認定は、寄附前の段階に遡って、被上告人の寄附制度に内在する構造的な不透明性、すなわち、勧誘時の説明と実際の使途の乖離、使用主体の不明確性や使途の不透明性、寄附者の判断可能性の欠如を司法判断によって逆説的に顕在化させる結果となっている。

原判決は「寄附前に疑念を抱いていた」「寄附の目的が検証であった」ことを理由に誤認を否定した。しかし、この論理を反転させれば、

  • 寄附前に疑念を抱かず
  • 検証目的でもなく
  • 本件寄附サイトの説明を信じて寄附した者

は誤認の典型例となるという結論に至る。

すなわち、原判決の論理を一般化すると、被上告人の説明を信頼して寄附した場合ほど誤認が成立しやすくなるという、被上告人の寄附制度の根幹を揺るがす制度的帰結を導く。この帰結は、被上告人の寄附制度において、一般の寄附者こそが誤認の典型例となることを意味し、寄附金の返還を求め得る者が全国的に多数に及ぶ可能性を制度的に内包している。にもかかわらず、原判決はその危険性について何ら説明していない。

寄附者保護制度の安定的運用の観点から、このような制度的帰結を放置することは許されず、最高裁による統一的判断が不可欠である。

 

4-2 寄附者保護制度の根幹に関わる

本件が問うのは、

  • 宗教法人等による寄附勧誘の適法性
  • 寄附者の判断可能性を確保するための説明義務の範囲
  • 説明義務違反の法的帰結
  • 使途不透明性・正体隠しの法的評価

など、寄附者保護制度の基本構造に直結する問題である。

宗教法人の寄附勧誘の透明性は社会的関心が高く、寄附者保護制度の信頼性と法秩序の安定に直結する。とりわけ、不当寄附勧誘防止法3条3号は新法であり、その判断枠組み・適用範囲・説明義務の内容について、最高裁判例は未だ存在しない。

したがって、本件は、寄附者保護制度の根幹に関わる初めての法的判断を要する事件であり、全国的な制度運用の統一のためにも、最高裁が統一的判断を示す必要がある。

 

4-3 全国的な判断枠組みの分裂防止

下級審では、

  • 寄附金の実際の使途に関する証拠の有無を基準とする判断
  • 寄附前の心理状態(疑念の有無)を基準とする判断

というように、判断枠組みが全く異なっている。このままでは、同種事案であっても地域ごとに判断が分裂し、寄附者保護制度の実効性に重大な混乱を招く結果となる。

また、下級審の判断を放置すれば、寄附者保護の実効性が地域差によって大きく変動し、宗教法人の寄附勧誘に関する法的基準が不安定化する。法秩序の安定と寄附者保護の均衡を図るためには、最高裁による統一的解釈が必要である。


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください