NHKドラマ『神の子はつぶやく』、抽象視点で悪い宗教を判別すると・・・

人間に、真っ当な努力を怠らせる悪宗教

2023/11/3放送、NHKスペシャル シリーズ“宗教2世”のドラマ『神の子はつぶやく』を録画視聴。

昨日の記事で、このドラマの視点で、一つひとつの宗教を悪宗教か否か?判別できると書いた。

もうちょっと抽象的な視点で見ると

  • 人事を尽くして天命を待たない宗教
  • 頭や体を動かして実生活で努力することを放棄して、現実逃避させる宗教

こういった宗教も悪宗教。田中麗奈演じる母親が、ドラマ中でこれらを体現している。

以降、ドラマのネタバレします。

 

この母親は、出自や借金と、妊娠、子育てが重なりあい、一見八方ふさがりに見える。その時にこの悪い宗教に堕ちる。

田中麗奈演じる母親は、「私は、何もできていない、できていない」と言いつつ、この悪宗教に帰依していく。そうすれば幸せになれると騙されて。

できていないと思っているのなら、少しでも、少しずつでも、できるようになればいいのに、その努力を完全放棄し悪宗教に逃走した。そんな状態で幸せになれるわけがない。

実生活で努力せずに神に祈ったところで、人生が好転するわけがない。それなのに、とりあえず神に祈れば救われる、宗教活動を優先すれば家族が幸せになれる、と嘘をついちゃう宗教は、悪い宗教。

この母親は、「できていない、できていない」と言いつつ宗教に堕ちたが、宗教に堕ちる前はよくやっていた。できることを充分に頑張っていた。妊娠・出産・子育てを何とか乗り越えれば、働いたりして未来を切り開ける可能性があった。

その未来を奪い去ったのがこの悪宗教。

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リスク開示しない、悪宗教

ドラマ内では、貧乏で知能指数が低い人、不器用な人が悪宗教にハマるような描かれ方をしているが、誰でもどんな人でも、魔が差すときがある。特に、この母親は妊娠中で精神的にも不安定になりやすい時期だった。

彼女を騙したのが、萩原聖人と酒井若菜演じる夫婦。こいつらの所業に、テレビを見ながら、思わず

「死刑-」とつぶやいてしまった。ナチュラルに悪気なく人を騙し、他人の人生を徹底的に損ねさせる者たち。被害者が加害者になる構図。

萩原聖人説教師が、どん底気分の母親田中麗奈に対し、

「あなたはそのままで良い」、みたいなことを言うのだが、これが見事な嘘。

宗教行事のために子どもの修学旅行を休ませたり、集中治療室に夫を放置して宗教の集会に行くように変化したり、食事の前に変な祈りしたりするように変化しないと、救われない。全然そのままではない。

  • 人間として劣化しないと、救われない宗教

これも悪宗教だろう。そもそも、悪宗教は嘘八百なので、求められるまま自身を劣化させても、救われない。余計に不幸になる。

悪い宗教は結果を言わずに、幻想だけを語る。幻想が最終結果のつもりなのだろうが、救われるとか、いつまでも幸せに暮せるとか、そんなモノは実現しない。そのウソの幻想に辿りつくために、何をしないといけないのか、それを真っ先に明かさない宗教は悪。

エホバの証人は、新しい世界での永遠の命というウソ幻想に辿りつくためには、死んでも輸血拒否しないといけないし、家族よりも神を優先しないといけない。この不都合な部分の開示を疎かにして、「いつまでも幸せに暮らせます」って。悪宗教の最たるモノ。

その宗教が唯一正しいモノだと騙されてからでは遅い。真っ先にリスクを開示すべき。その宗教がたとえ唯一正しいとしても、その巨大なリスクを背負えるか、宗教消費者側には、効能よりもリスクが先に開示されるべき。それが、悪宗教が持ち合わせていない良心。

リスクを言わずに効能だけうたっている。しかも、その効能が実現する保証はどこにもない。というか、その効能は、どんな宗教であっても実生活での努力なしには実現しない。そもそも、悪宗教の荒唐無稽な効能は、実現しない。


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