エホバの証人はなぜこんなに頑なになるのか
『近現代日本とエホバの証人』から。第五章「忍従の時代」後半部分。
本書に出てくるエホバの証人脱会経験者のB氏。脱会時の心境を以下のように語っている。
「脱会カウンセリングだけは受けるまい」と思っていた
「カウンセラーの説得によって、つまり他人の意志によって辞めることを促される、それでは今までの生き方と変わらないと思った」
ここでいう
「今までの生き方」とは、教団が提示する「真の宗教」やその判断基準に囚われていた生き方
のこと。「真の宗教」論争については昨日の記事で触れた。
これを読んでいて感じたのは、エホバの証人になると、人はなぜこんなに頑なになるのか?ということ。エホバの証人をやめるという、最良にして自由な人間として生きる唯一無二の選択なのに、なぜそこに時間をかけるのか?
脱会カウンセラーでも何でも良いのでスパッと辞めればいいのでは?というのが私の意見。「今までの生き方」で人生をさんざん弄ばれ、搾取され騙されてきたのだから。それより悪化することはない。
であるのに、脱会という最善の決断をするときに限って「今までの生き方」とは違う何者にも囚われない生き方をしたい。自分の頭で考えるんだとなる。
今まで、他人の意思でコントロールされてきたのだから、辞めるときも誰かの意見を聞いたっていいものを。なぜそこだけは自分の意思で辞める決断をしなければならないのか?
その理由、エホバの証人には、脱会防止の呪いがかけられている。3つの脱会防止のための呪い。
エホバの証人がかけられた脱会防止の3つの呪い
エホバの証人を辞めるときになって、急に何もかも調べて自分の意思で決めるんだと意気込む不思議。その心境とは?
今まで騙されてきたんだから、また騙されても同じだろと私は思う。騙されたつもりでエホバの証人を辞める。次の日から、世界が色を持つようになる。空が本当に青く見える。それで良いじゃんと思うのだが。
辞める前のエホバの証人は騙されている認識はないし、むしろ外部者の方が騙してくると思いこんでいる。危険な背教者の言うことは聞きたくないと。これが脱会防止のエホバの証人の呪い1つ目。
そもそも、エホバの証人が「真の宗教」なら、外部の人は必死に辞めろなんて言わない。そんな暇じゃない。エホバの証人が完全に完膚なきまでに騙されているから、こうも必死にエホバの証人早く辞めましょと言っている。あなたのやっていることは無駄なだけでなく有害ですよと。
エホバの証人のかけられた脱会防止の呪い2つ目。
エホバの証人活動により支払った代価は回収不能。ものみの塔のために費やした時間、失った社会的信頼、学歴、キャリア。そういった惜しみなく差し出した一切が無に喫するのを認めたくない。
だから、簡単にエホバの証人から足を洗えない。これが2つ目の呪い。とはいえ、早々に足を洗わないともっともっと奪われることになる。辞めるのは早いに越したことはない。
3つ目、最後のエホバの証人がかけられた脱会防止呪い。
エホバの証人を辞めると、信者として残る者から忌避される。これがエホバの証人のかけられた3つめの呪い。一般の非信者との人間関係を断つように要求し、エホバの証人以外の人間関係を持たせない。こうして足抜けを防ぐ。
大丈夫。人間は一人でも生きていせる。一人で生まれてきたんだから。それに、エホバの証人脱会希望者に対して親身になってくれる人なんて山ほどいる。私だってそう。エホバの証人辞めるっていうのなら、心の底から応援するし、その困難かつ素晴らしい決断をしたあなたを多いに尊敬します。何の力にもなれないけど、愚痴くらいは聴きます。
私はエホバの証人を減らしたいので、つべこべ言わずにとっと辞めろという意見。しかしながら、自分の頭で考えて辞めた方が良いのは確実。脱会後の回復、予後が違う。この点は明日の記事にて。
“エホバの証人の脱会を阻む、脱会防止の呪い3つとは” への1件の返信