エホバの証人は大幅に減っている?
『近現代日本とエホバの証人』より。第五章「忍従の時代」1990年代半ば以降。
本書によると1990年代半ば以降、エホバの証人の教勢は停滞期に入る。脱会者の人数が新規入信者を上回り信者数は微減。非常に好ましい傾向であり、ガツンと信者数を減らして、組織そのものを叩き潰したいところ。
新規入信が発生しているのに、総信者数が微減しているという現状から、脱会・死亡・海外移住による減少人数、主に脱会者が新規入信者を上回っていると著者は考察している。
これには若干の齟齬がある可能性があるので、ちと検証したい。ついでに本書掲載の「日本における信者数と入信者数の推移」の表に最新データを追加。本書では2016年までのデータだったので。
データの出どころは本書同様に、ものみの塔の年鑑。エホバの証人公式サイトから数字を拾った。
例えば、2019年から2020年にかけて考えてみる。最新データの2021年はコロナの影響で海外派遣組が帰国し、信者数が増えているらしい。話がややこしいくなるので、2020年度で検証する。
2019年から2020年にかけて、総信者数は212,438人から211,494人に1000人ほど減っている。ところが2020年の新規の入信者は1910人いる。
2,000人弱入ってきたのにトータルでは1,000人減っている。つまりは3000人が脱会したり死んだりしたのではないかというのが著者の考察。この単純な差し引きが著者の誤解の原因かと思われる。
新規の入信者とは、バプテスマという儀式を受けた人数。そして総信者数は実際に布教時間を報告した人数の年間平均。
布教時間を報告する伝道者には、バブテスマを受ける前になれる。総信者数の中に、バブテスマ前、新規入信者の予備群がいる。
つまり、新規入信者とは、その年度にガチの信者になるとバプテスマによって宣言した人数。そして、総信者数は月に1時間でも布教時間を報告した人数。この中にはバブテスマ前の信者も存在する。
初めて布教時間の報告をし始めたのが、本来の新規入信者。そして脱会者・死亡者もいてその差し引きで上表の2020年度であれば1,000人微減。
新規入信者としてカウントされている1,910人の中には2019年度にも布教報告をしている者もおり、前年から総信者数にはカウントされていた者がほとんどではないだろうか。総信者数の中で循環しているだけ。
ここからはさらに私の憶測だが、2,000人入ってきて、3,000人出て行ったというようなダイナミックな動きではなく(さほどダイナミックでもないが)、「単純に1,000人が脱会したか死んだ」に近い、緩慢な動きをしているのではないだろうか。
強制されて布教を始めた2世信者が数百人、後は純粋な新規信者が数百人、そして脱会者と死亡者がそれを吸収する千人強という、人の出入りのない新陳代謝のない動きなのではないかと、私は推測している。
ほぼ死に体で組織として老いて行く一方だが、大規模な脱会はない。それがエホバの証人の今。
“エホバの証人(JW)の人数は?入信者と脱会者の人数は?” への2件の返信