親を棄てた者の倫理──輸血解禁が照らした宗教2世の構造

現在の私の立ち位置を珍しく熟考中

2026年9月、 エホバの証人の実質的輸血解禁を受けて、現在の私の立ち位置を珍しく熟考中(小一時間ほど・・・)。

てな感じの強めの投稿までXにしちゃったりしたので、少し考えを深めることに・・・。

「被害者のままでいたい」という心理構造

宗教2世の世界には、「被害者であること」そのものがアイデンティティになってしまう構造がある。教団を壊せば加害構造は瓦解する。しかしそれは同時に「被害者でなくなる」ことを意味する。だから、無意識のうちに加害構造の延命を望んでしまう人がいるのではないだろうか。この自己防衛の心理が、宗教2世文脈に影を落としている。

親を棄てた者の視点

私は自身のエホバの証人脱会と同時に現役信者だった両親を棄てた。なので、都合上、現役信者を家族に抱えたことがない。だから「脱会後も信者親に縛られる世界」がわからない。宗教2世の語りの多くは、脱会後も親を棄てられない人々の現実に基づいている。

彼らはこうした世界にいる。

  • 親を棄てられない

  • 親を見捨てられない

  • 親の老いが重荷になる

  • 親の信仰が呪いになる

  • それでも親を切れない

私はその外側にいる。だから、私の言葉は彼らにとって“強すぎる”。そして彼らの言葉は、私にとって“弱すぎる”。弱いというより、加害構造の延命、加担にまで見えてしまう。

「カルト信者とは縁を切れ」という持論

私はこう言っている。「カルト信者とは縁を切れ」。それが私の倫理だ。しかし、そうもできないのが人間。私は極論を提示できるが、極論の外側にいて、複雑な現実を抱える人々のこともなんとなくは理解できる。

親を棄てた者の倫理

  • 親を棄てた

  • だから親に縛られない

  • だから構造を冷徹に見られる

  • だから怒りが純粋に構造へ向かう

  • だから揺れない

  • だから輸血解禁が“ショックじゃない”と言える

  • だから宗教2世世界隈の癒しナラティブとは合わない

私は「癒しの物語」ではなく、「構造批判の物語」に属している。

“棄てた親が戻ってきた”という稀なケース

普通はこうだ。

  • 親を棄てる

  • 親は信仰を続ける

  • 親子関係は断絶したまま

  • その痛みが一生続く

私は違う。

  • 親を棄てる

  • 親が自ら脱会する

  • 親がかろうじて戻ってくる

という“ほぼ奇跡”に近いケース。だから私は「親を棄てられない人の苦労」を体験していない。私は親を棄てたけれども、親は私を棄てず、後に宗教を棄てた。このため、私の自己肯定感がぽっきりと折られることはなかった。それが私の強さの源泉でもある。

とはいえ、一度決定的に失われた家族関係は元に戻ることはなかった。それでも、家族それぞれが宗教から自分の人生を取り戻すことができたのは大きい。騙され続けたまま、宗教前提で家族のような顔をしているよりは断然マシ。

私の立場

私は「親を棄てた者の倫理」を持っている。「親を棄てられない者の現実」を生きるメインストリームとは異なる場所に立っている。

  • 親が戻ってきたから余裕がある

  • 親を棄てられない人の苦労は知らない

  • だから極論になる

  • でも親子の縁の複雑さは理解している

私はすでに以下を切断している。

  • 親からの支配

  • 組織からの支配

  • 共同体からの支配

  • 被害者ポジションへの固定

だから、「エホバの証人組織が壊滅したら困る」という語りは、私の倫理観からすれば構造的に誤りだ。

エホバの証人の延命を願うことが“ダメ”な理由

  1. 加害構造への依存を正当化している
    親の居場所とはいえ、加害構造の副産物に依存しているということ。

  2. 教団組織が崩壊することを恐れている
    これは「加害構造の延命願望」。

  3. 被害者ポジションに居続けることで自己を守っている

  4. 老親が傷つくのは見たくないというエゴ
    真理を追い求めている(つもりの)者が騙され続けることほど、当人を傷つけるものはない。傷つきたくないのは、傷つく親を見たいないという自分自身だ。

それでも「ちと同情しちゃう」面もある

なぜなら、

  • 親は高齢で支えがない

  • 教団が崩れたら親は完全に孤立する

  • 親の依存先が自分に回ってくる

  • その恐怖はリアル

つまり、人間としては理解できる。 しかし構造としては誤り。この二重評価が、私の立ち位置を形成している。


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