ものみの塔裁判:上告受理申立理由書を公開。

ものみの塔と裁判をしていた件。最高裁への私の上告提起が受理されなかったため、私の書いた上告受理申立理由書を公開供養。たかだか1000円の損害賠償だけど、重要な事件でっせと述べた序盤部分から。

第1 申立の趣旨

本件は、民事訴訟法318条1項にいう「最高裁判所の判例と相反する判断がある事件」「その他の法令の解釈に関する重要な事項を含む事件」の双方に該当する。

まず、原判決は、最高裁平成8年10月31日判決(平成3年(オ)1380)が違法とした「争点外判断・防御権侵害」の法理に反する判断をしており、判例相反に該当する。

さらに、本件は、令和5年施行の新法である「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」(以下「不当寄附勧誘防止法」という。)3条3号の解釈適用に関する初の事案であり、法令解釈の統一が求められる。同条項の趣旨・構造に関わる「正体隠し」「使途誤認」「説明義務」「合理的疑念」「立証責任」等の重要な法令解釈問題が本件に集中的に現れているが、最高裁判所の先例は存在せず、判断基準は未確立である。

また、最高裁令和6年7月11日判決(令和4年(受)2281)は、宗教法人による献金勧誘行為の違法性判断について総合考慮の枠組みを示したが、不当寄附勧誘防止法3条3号との関係は未整理である。

加えて、原判決の判断枠組みを一般化すると、被上告人の寄附制度全体に重大な制度的帰結を生じさせる危険があり、寄附者保護制度の安定的運用の観点からも統一的判断が不可欠である。

さらに、本件には、理由付記義務・文書提出命令・立証責任に関する手続法上の重要問題も含まれている。

以上のとおり、本件は、新法の解釈と既存最高裁判例との整合性を初めて問うものであり、全国的な統一基準の確立のため、最高裁判所が判断を示す必要性が認められる。

また、本件は、宗教法人による寄附勧誘の適法性と寄附者保護制度の在り方に直結する公益性の高い事件でもある。

 

第2 最高裁判所の判例との相反

原判決は、最高裁平成8年10月31日判決(平成3年(オ)1380)が明確に違法とした「争点外判断・防御権侵害」に該当し、同判例の法理と矛盾する。

同判決は、全面的価格賠償の可否を判断する上で不可欠な「支払能力」という核心的要件について、原審が何ら審理・認定を行わず、これを当然に存在する前提として結論を導いた点を違法とした。

この法理を一般化すれば、

  • 争点化されていない事項を
  • 事前の釈明なく主要判断の基礎に据え
  • 当事者に反論・立証の機会を与えないまま結論を導く

という審理構造は、いずれも同判決が違法とした審理構造である。

 

原判決は、この平成8年判決に反する判断をしている。すなわち、

  • 原判決は、当事者の主張にも争点整理にも現れていない「寄附前の疑念」という心理状態を、事前の釈明なく主要判断要素として導入した点
  • 上告人に対し、この新たな判断枠組みについて反論・立証の機会を全く与えず、完全な不意打ちとなっている点
  • 条文の中心要素である「正体隠し」「説明状況」「寄附者の理解」という主要事実について審理・判断を行わず、条文外の心理要素のみを根拠に結論を導いた点

以上のとおり、原判決は、平成8年判決が違法とした判断構造をそのまま踏襲しており、同判例の法理に反する。


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