ものみの塔裁判:上告理由書を公開、疑念を根拠にするという「法令解釈の誤り」

第4章「法令解釈の誤り」

ものみの塔と裁判をしていた件。最高裁への私の上告提起が受理されなかったため、私の書いた上告理由書を公開供養中。

第4章の「法令解釈の誤り」。

第4 法令解釈の誤り(民事訴訟法312条2項6号)

4-1 原判決の解釈は法の趣旨に逆行する点

該当箇所:原判決は、前記1-1で引用したとおり、上告人が寄附前から疑念を抱いていたことを理由に誤認を否定している(原判決3頁12行目から19行目)。

法の趣旨:不当寄附勧誘防止法3条3号は、

  • 正体隠しによる不当な寄附勧誘の防止
  • 寄附者に使途を誤認させるおそれがないようにするための配慮義務
  • 寄附者の理解に応じた説明義務

を趣旨とするものであり、誤認判断の基礎は「説明状況」と「寄附者の理解」に置かれている。

問題点:原判決が認定した疑念の存在は、むしろ使用主体(統治体)の正体が伏せられ、使途が不透明であったことを示すものであり、正体開示義務違反・配慮義務違反・説明義務違反の可能性を強く示す事情である。

それにもかかわらず原判決は、疑念の存在を誤認否定の根拠としたものであり、法の趣旨に反する明白な法令解釈の誤りである。疑念の存在を誤認否定に用いることは、条文の趣旨を没却し、寄附者保護制度の根幹を揺るがすものである。

法的帰結:以上のとおり、原判決の法令解釈は民事訴訟法312条2項6号にいう理由不備に該当し、破棄を免れない。

 

4-2 事実認定と法的評価の逆転

事実関係:原判決は、前記1-1で引用したとおり、上告人が寄附前から疑念を抱いていたことを認定している(原判決3頁12〜15行目)。他方、その疑念の背景となる客観的事実(海外送金の不透明性、統治体の裁判状況、賠償金支払い、使途不透明性等)については、被上告人は抽象的否認を述べるのみで、具体的反証を全く示しておらず、実質的には争われていない前提事情として扱われている。

問題点:原判決が反論のないままこれらの背景事情を前提として疑念の存在を認定したことは、疑念が憶測ではなく、背景事情に照らして合理的に生じたものであることを裏付ける事情である。

これらの背景事情は、寄附金の使途や使用主体に関する説明が不十分で、寄附者の理解が形成されていないことを示す典型的事情であり、不当寄附勧誘防止法3条3号および逐条解説(乙11)が示す誤認判断の基準(「説明状況」「寄附者の理解」)に照らせば、誤認が生じやすい典型的事情に該当する。

むしろ、原判決は疑念を抱かせる状態であったことを自ら認定しており、これは正体開示義務違反・配慮義務違反・説明義務違反の可能性を強く示す事実である。それにもかかわらず、原判決はこれらの義務違反を検討せず、寄附者側に証明責任を残したまま誤認を否定しており、事実認定と法的評価が逆転している。

法的帰結:この逆転は、不当寄附勧誘防止法3条3号が採る「説明状況」および「寄附者の理解」に基づく判断構造を誤解したものであり、条文の趣旨・構造に関する法令解釈の誤りであって、民事訴訟法312条2項6号にいう理由不備に当たる。したがって、原判決は破棄を免れない。


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