ものみの塔裁判:非人道的な児童性虐待の裁判費用への寄附金流用は不当寄附勧誘防止法違反

ものみの塔との裁判書面を公開

ものみの塔と裁判をしている件。控訴審のときの話。私から提出した控訴人第2準備書面を期間限定公開中。「寄附の目的と使途の乖離」について述べた第5章の(2)他判例の援用と(3)ものみの塔の寄附金の使途が限定されることについて。

(2)ルンバール判決の援用

被控訴人は、ルンバール判決が医療訴訟であることを理由に、本件とは事案も争点も異なり、どのような関係があるのか不明と主張している(控訴答弁書4頁)。しかし、同判決が示したのは「因果関係の証明度」に関する民事一般の原則であり、事案類型を問わず適用される。

実際、医療以外の民事事件においても、製造物責任(東京地裁平成30年9月19日判決)、暴行致死による損害賠償請求(名古屋地裁平成30年3月14日判決)、公務災害(神戸地裁平成12年3月24日判決)等、裁判所は自然科学的証明を要せず、経験則に基づく証拠全体の総合評価による高度の蓋然性により因果関係を認定している。

よって、本件についても、「完全な金銭の流れ」を証明することは要せず、控訴人が挙げた根拠を総合すれば、金銭の流れに「通常人が疑いを差し挟まない程度の合理的蓋然性」が認められる。

 

(3)被控訴人の寄附の使途は制限される

被控訴人は、寄附金が「エホバの証人が世界中で行っているあらゆる宗教活動・人道活動、またこれらの活動のために必要又は有益な活動のために使用することが可能である」と主張する(控訴答弁書5頁)。

しかし、これは被控訴人による拡大解釈である。被控訴人が集めた寄付金は、勧誘方法からすると、宗教活動・人道活動の支援以外には使われてはならない

この点は原告準備書面(1)5頁で述べた通り、「宗教活動・人道活動を支援するために用いる」ことは、使途として謳われてはいるが、「宗教活動・人道活動のために必要又は有益な活動のために用いることも可能」とは、述べられていないからである(乙13の2)。

被控訴人は、訴訟活動のための費用が寄附の使途として適正であると主張しているが(控訴答弁書5頁)、この訴訟活動に児童性虐待裁判が含まれているのであれば、それを否認し、争う。

児童性虐待裁判を「宗教活動・人道活動、またこれらの活動のために必要又は有益な活動」だと、もしも被控訴人が認識しているのであれば、これは寄附者保護を否定する自己矛盾である。

そもそも、被控訴人の世界的活動への寄附の使途は「宗教活動・人道活動の支援」に限定されており、エホバの証人の児童性虐待が裁かれる訴訟費用に流用されることはあってはならないのである。

 

被控訴人は「世界的活動への寄附は使途が無制限」とは主張していないと述べているが(控訴答弁書5頁)、『「世界的活動への寄付」が、用途を限定しない寄付であって』(被告第1準備書面12頁)、「世界的な活動への寄付が何ら使途を特定しない無条件の寄付であることは明らか」(被告第1準備書面13頁)、と主張している。「用途を限定しない」「使途を特定しない」ということは「使途が無制限」ということであり、ここにも被控訴人の主張の転換があるが、いずれにせよ、被控訴人の世界的活動への寄附は、使途が宗教活動・人道活動の支援に限定されており、非人道的な児童性虐待の訴訟活動費用に流用されることは、第一審判決のとおり、不当寄附勧誘防止法違反である。


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