ものみの塔裁判:寄附金流用の蓋然性の根拠に憶測はない

ものみの塔との裁判書面を公開

ものみの塔と裁判をしている件。私の出した控訴人第2準備書面を期間限定公開中。「寄附の目的と使途の乖離」について述べた第5章の(1)高度の蓋然性について。

第5 寄附の目的と実際の使途の乖離

(1)高度の蓋然性

被控訴人は「控訴人は、日本で集めた寄附金が米国のエホバの証人の世界本部に送金され、海外で別の法人の裁判費用等に流用されているなどと主張している」と述べる(控訴答弁書4頁)。控訴人は寄附金流用を事実として確信し主張もしているが、「高度の蓋然性」について検討する際はそのような断定的事実主張ではない。

控訴人が主張しているのは、「日本で集めた寄附金が米国のエホバの証人の世界本部に送金され、非人道的な児童性虐待裁判費用等に流用されていると推認される」または「その推認に高度の蓋然性がある」という点である。

被控訴人は、これを「単なる憶測を、高度の蓋然性があるなどとしてあたかも事実であるかのように主張しているに過ぎない」と断じるが(控訴答弁書5頁)、これは論点のすり替えである。

控訴人は、複数の客観的事実の積み重ねを前提として高度の蓋然性を主張しており、その推論過程も明示している(控訴理由書4~7頁)。しかし被控訴人は、控訴人が示した事実の正確性や、そこから導かれる推論の合理性について一切反論せず、結論部分のみを切り取って「憶測」とレッテルを貼るにとどまる。

控訴人の主張する「高度の蓋然性」の根拠には、「憶測」に当たる部分は全く存在しない。

 

控訴人は、被控訴人自身の提出資料(乙13の2)と被控訴人自身の主張(被告第2準備書面6頁)等に基づいて、日本で集めた寄附金が、米国のエホバの証人世界本部と統治体を経由して児童性虐待裁判費用へとつながる金銭のルートを示した(控訴理由書6頁~7頁)。このルートについて、被控訴人は一切反論できていない。

金銭の流れがつながっている以上、被控訴人が日本で集めた寄附金が非人道的裁判費用に流用されていると推認することには高度の蓋然性がある。

 

被控訴人は、控訴人の主張に高度の蓋然性が認められず、具体的な事実を何一つ挙げられていないと主張する(控訴答弁書4~5頁)。しかし、被控訴人は高度の蓋然性が認められないと主張する根拠を示していない。また、控訴人は被控訴人が米国のエホバの証人の世界本部に送金している証拠は示している(乙13の2)。これが具体的な事実の一つである。

被控訴人は「いつ、いくら、どの銀行を使って、どこの国の何という銀行に送金したか」示す必要があると主張する(控訴答弁書4頁)。この被控訴人の要求を完全に充たすには、紙幣番号まで追跡するような完全証明が必要となる。それは「高度の蓋然性」ではなく、「完全な金銭の流れ」である。

仮に、日本から米国への送金記録が提出されたとしても、被控訴人は「それが児童性虐待裁判費用に充てられた証拠ではない」として否定することは明らかである。すなわち、被控訴人は高度の蓋然性による推認を排斥するために、事実上「完全な金銭の流れ」の証明を要求しているに等しい。

しかし、民事訴訟においてそのような完全証明を要求することは、ルンバール判決が明確に否定するところであり、被控訴人の主張は失当である。


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