幼児教育を受けられない子どもたち
幼稚園児の息子を、幼稚園バスまで送っていったときのこと。
バスを待っている間、息子が幼稚園の友達と「だるまさんがころんだ」と言って遊びはじめた。なんだか古風な遊びをしているなと思ったのだが、ふと気付くと私は「だるまさんがころんだ」で遊んだ記憶がない。
おそらく私が幼稚園や保育園に行っていないからだろう。息子が通う幼稚園もそうなのだが、幼稚園や保育園では、季節に応じて子どもに伝統的な習慣や遊びを教える。
生まれながらにエホバの証人2世だった私は、親が必要ないと決めていたせいで、幼稚園や保育園といった幼児教育を受けていない。
私同様にほとんどのエホバの証人2世の子どもたちも幼児教育を受けない。教団が幼児教育を受けることを推奨しないから。
小学校からは義務教育なので、エホバの証人2世の子どもでもしぶしぶ通わされる。それ以下の年齢のあいだは、エホバの証人の伝道奉仕活動という布教活動に連れまわされる。
私が幼児だった頃は、この布教活動が激しく行われ、エホバの証人の特徴になっていた。文字通り、家から家へと周り、赤の他人の家の呼び鈴を鳴らしまくる。炎天下でも台風が来ても、大雪が降っても、この布教活動に連れ周された。
些細なことも禁じられる、エホバの証人の子ども
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