ものみの塔との裁判書面を公開
ものみの塔と裁判をしている件。控訴審で私から提出した控訴人第2準備書面を期間限定公開中。ものみの塔の財務文書提出命令の必要性を説く第8章。
第8 財務文書の提出命令の必要性
(1)本件の核心性
寄附運用の透明性は財務文書によって初めて確認可能であり、その透明性なくして寄附勧誘の適法性は判断できない。したがって、公益性の高い本件では文書提出命令が不可欠である。
被控訴人は「勧誘内容を示す書類ではない」と主張し(意見書2頁)、控訴人が立証すべき違法な勧誘を証明するものではないと述べる。
しかし、これは当然のことであり、論点のすり替えにすぎない。財務文書を取り調べる目的は、被控訴人が違法な勧誘を行ったか否かではなく、勧誘の内容と異なる寄附運用を行っていたか否かを確認する点にある。
財務文書は、寄附金の送金先、送金金額の多寡、時期、支出の実態を示す可能性があり、控訴人が主張する「寄附金の海外送金及び米国側での使用」の有無を立証するために直接的に有用である。
被控訴人は、財務文書が1頁であることをもって有用性を否定するが(意見書2頁)、頁数のみをもって有用性を否定することはできない。有用性は裁判所が実際に審査して判断すべき事項であり、被控訴人が一方的に断定することは相当でない。
たとえ1頁であれ、世界的活動への寄附が全額米国へ送金されているならば、1行の記載で十分に表現可能であり、控訴人の行った寄附が児童性虐待裁判で敗訴している米国法人へ送金された事実が確定する。その場合、控訴人の寄附は米国のエホバの証人法人が集めた寄附金に含まれることになる。
そして、エホバの証人の米国法人が米国内で集めた寄附金を児童性虐待の裁判費用に流用していることは、被控訴人自身が認めている(被告第2準備書面6頁)。したがって、控訴人の寄附が同裁判費用に流用されたと評価して差し支えない。
被控訴人は「海外のことに関与しない」と繰り返し述べている以上、日本からの寄附と米国内の寄附を分けて管理しているという主張もできない。仮に分けて管理していたとしても、一旦は同一法人に集約された金銭である以上、米国のエホバの証人法人が関与した児童性虐待裁判に流用されたと評価することは合理的である。
以上のとおり、控訴人の寄附が児童性虐待裁判費用に流用された決定的な証拠となる可能性があるため、財務文書の提出は本訴訟の進行に必要不可欠である。
被控訴人は寄附金の海外送金を認めているのに、送金国と送金後の使途は一切不明である。被控訴人が述べるように、財務文書が寄附の用途を詳細に記すものでなく、財務文書の開示をもってしても寄附の海外送金状況等が不明なままであれば、被控訴人の寄附運用の不透明性が証明される。
被控訴人は自身の寄附運用は透明であると主張しており、この点が覆ることは本裁判の核心的争点である。被控訴人の寄附運用が不透明であれば、使途は寄附者にとって不明であり、誤認を招くことに直結するからである。誤認を招くことはすなわち、不当寄附勧誘防止法違反に該当する。
被控訴人は、「控訴人が本件訴訟の帰趨とは無関係な情報を入手しようと証拠漁りをしている」と主張する(意見書2頁)。しかし、前述のとおり、財務文書の提出は本件訴訟の帰趨と直結するものである。


