ものみの塔協会の嘘に気付くが生の貴重さを忘れる
朝日を浴びながら、せめてハルマゲドンで滅ぼされるまで生きていたいと実感してから10年後、私は3度目の交通事故を起こすことになった。その10年の間に、エホバの証人の教義は全部がデタラメだったと私は気付く。
これはインターネットのおかげである。ハルマゲドンは絶対に来ないと、ものみの塔協会の嘘に気付いた。とにかく突然、青天の霹靂とも言える神の裁きにより死ぬことはないと私は確信したのだが、だからと言って何をして良いのか、何を始めれば良いのか全く解らなかった。そして、生きていたいと実感したあの感覚を忘れ始めていた。急に命が寿命までの無期限に延長されたからである。
3度目の事故
私が起こした3回目の事故は凄まじかった。結構なスピードが出ていた状態から縁石を飛び越えて民家の外壁をえぐり、それから40mほど車が進んだ所でやっと停まった。私の車を引き上げに来てくれたJAFの人が
「こんなひどい事故、久しぶりに見ました」と、無傷の私を見て
「鉄人ですか?」と驚いていたのである。
私はこの時、飲酒運転で無謀とも言えるスピードを出していた。こんなことを続けていたら、本当にオレは死んでしまうなと思ったのだった。そして、自分が死ぬだけならまだしも、そこら辺を歩いているまるで無関係な人の命まで奪いかねないと、事故を起こしてようやく気付いたのである。その無関係な人々の生命を、私は心の何処かでハルマゲドンで奪われると信じて疑わなかった命と同じくらいに思っていたのだ。